【豆知識】生命保険「がん」治療編⑮
【豆知識】生命保険「がん」治療編⑮
1)補助化学療法
手術後の再発を防ぐ目的で、Ⅲ期または再発のリスクが高いⅡ期の大腸がんの場合に行うことが推奨されています。補助化学療法では、細胞障害性抗がん薬を内服または点滴で用います。内服と点滴を併用する場合もあります。6カ月行うことが一般的ですが、がんの状態や用いる薬の種類によっては、3カ月で終わる場合もあります。
2)切除不能進行・再発大腸がんに対する薬物療法
手術によりがんを取りきることが難しいと診断された場合に行います。がんを小さくして手術ができるようにしたり、がんの進行を抑え、延命および症状を軽減したりすることが目的です。薬物療法のみで完治することは難しいですが、薬物療法を行った方が、生存期間が延長し、クオリティ・オブ・ライフ(QOL:生活の質)が向上することが分かっています。
薬物療法を受けることができるかどうかは、以下の条件などを参考に検討し、「適応となる」「問題がある」「適応とならない」の判断をします。
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少なくとも、自分で歩くことができ、身の回りのことを行える
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肝臓や腎臓などの主な臓器の機能が保たれている
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ほかに重い病気がない
「適応となる」のは、これらの条件が満たされており、一次治療の細胞障害性抗がん薬や分子標的薬の併用に問題がないときです。「問題がある」のは、これらの条件を十分に満たさないため、「適応となる」場合と同じ薬を使うことは難しいものの、体の状態や臓器の機能などに応じた薬物療法を受けることができるときです。体の状態が良くない、または主な臓器の機能が保たれていない、ほかに重い病気がある場合は「適応とならない」と判断されます。
また、大腸がんでは、一次治療を始める前に、がんの組織の遺伝子を調べる検査(RAS遺伝子検査、BRAFV600E遺伝子検査、MSI検査)を行い、その結果によって治療を検討することが勧められています。治療は、MSI検査で、MSI-Highの場合(遺伝子に入った傷を修復する機能が働きにくい状態の場合)と、そうでない場合とで分かれます。
また、このほかに、HER2と呼ばれるがん細胞の増殖に関わるタンパク質があるかどうかの検査を行うことも妥当と考えられています。
薬物療法には、複数のレジメン(薬剤の用量や用法、治療期間を明記した治療計画のこと)があります。まずは一次治療から開始し、治療の効果が低下した場合や、副作用が強く治療を続けることが難しい場合には二次、三次……と順に別のレジメンを続けていきます。どの段階まで治療が可能かはその人の状況によって異なります。
詳細については、「国立がん研究センターがん情報サービス」「大腸がん(結腸がん・直腸がん)治療」のホームページにてご確認ください。表や図解が御座います。
大腸がん(結腸がん・直腸がん) 治療:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ] (ganjoho.jp)
「国立がん研究センターがん情報サービス」のホームページより出典
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